無名異焼

無名異焼

使うと健康になる器がある!?

全国の陶器にはいろいろな特徴を持った焼き物がありますが、実はその器を使ってお茶を飲むと病気が予防できると言われている焼き物があるのです。

新潟県の無名異焼(むみょういやき)がその焼き物です。

 

無名異焼に使われる陶土は粒子がとても細かく、高温で焼いたときの収縮率も高いので、その性質を利用して釉薬をかけずに焼く「焼き締め」が一般的になっています。

また、無名異焼には普通の陶器に見られるようなざらつきが少なく、艶やかな光沢が見られるのですが、それは石や鉄ベラなどを使って成形後と焼成後に2回の研磨作業を行なうことによります。

使えば使うほどに艶が増してくるのもこの焼き物の魅力と言えます。

全国の陶器の中では珍しく、叩くと澄んだ金属音を発するのも無名異焼の特徴のひとつです。

 

そしてこの器を使うと病気の予防になる、というその訳ですが、これは陶土に使われる鉄分を豊富に含んだ赤褐色の粘土にあります。

これは昔から止血などの薬用にもなっていた土で、この土を混ぜて作られた湯飲み茶碗や急須でお茶を淹れて飲めば、中風や胃腸の病気の予防になると言われています。

佐渡金山から生まれた土が薬から陶土へ・・・人々への恩恵は金だけではなかったようですね。

 

新潟県の相川町には、伊藤赤水や三浦常山など無名異焼の名工たちの作品が見られる展示館や、陶芸体験のできる窯もあります。

光沢のある独特の赤褐色をした無名異焼を見に出かけてみてはいかがでしょう。