越前焼

越前焼

越前と聞いて思い浮かぶのは、荒々しい波の立つ日本海に、カニなどのおいしい海の幸。

そして忘れてならないのが越前焼です。

ここ福井県にある越前焼の窯は、いわゆる六古窯のひとつになっているのです。

数ある全国の陶器の中でも、よく知られた名前ですよね。

 

全国の陶器はそれぞれに地域ごとの特色があり、地元の風土や人柄までも表現しているものがあります。

この越前焼でも陶土はすべて地元産の土でまかなっており、冬の厳しさに耐え抜く腰の強さが器にもあらわれています。

越前の土はガラス質を多く含んだ独特のもので、釉薬が乗りにくい性質を持っています。

通常の陶器であれば、釉薬を掛けないと水漏れしやすいなどの欠点が出てきてしまうのですが、越前の土を使って焼くと高温焼成によってガラス質が隙間を埋め、硬く緻密に焼き上がります。

そのため、釉薬を使わず1300度以上の高温で焼き締めるスタイルが、創始以来の越前焼の基本形となっています。

 

土の腰の強さと並んで越前焼の特徴とされるのが、紐づくりと呼ばれる成形法です。

人の腕ほどの太さがあるひも状の土を肩にかついで、土台の周りを回ってぐるりと巻きながら器を形作っていきます。

昔ながらのこの手法を守り続けている人として、藤田重良右衛門(じゅうろうえもん)氏がよく知られています。

 

最近では食器も多く作られ、若い人にもなじみがあるであろうビアマグは、ヒットを呼びました。

越前焼特有のざらざらとした肌合いのビアマグにビールを注ぐと、泡のキメが細かくなりクリーミーな泡が長持ちするようです。

越前焼に、そしておいしくビールを飲む方法に興味がある人は、一度お試しください。